千代田区・神田公園地区連合町会のサイトです。

錦町三丁目町会長  中澤 健二 氏(なかざわ けんじ)平成16年5月〜平成19年2月

11月2日午後3時、「町会長いんたびゅー」では、6人目のお客様に
錦町三丁目町会 中澤健二 会長をお迎えしました。

インタビュアーはおなじみの多町二丁目の竹内さん(ホームページ作業部会)
神田公園区民館2階のサロンギャラリーで
ダークスーツをピシッときめて見えられた中澤会長から
約1時間半いろいろ考えさせられるお話をうかがいました。

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町会の一番のご自慢と現在気になることをお聞きしました。

 自慢ですか、町会で子どもの遊び場を所有していることでしょう。(錦三会児童遊園:昭和24年5月5日に神田錦町3−3に開園 124㎡)もともとは町会の会所を建てたいという話があって、地主から飛び地なので廉価でどうかという持ちかけられたとき、町会でお金を集めて土地を購入して、子どもの遊び場をつくりました。現在は区に、管理運営を預けていますが、かつて町会のラジオ体操をここでやっていました。

 気になることは、高齢化ですね。居住者の減少と併せて進行している。今は20代の町会員はいないんじゃないかなあ。でも、皆さんが協力してくれる。状況がわかればわかるほど皆さん手伝ってくれるし、30代の人を中心に役割分担ができてきている。ここに住んでいる人を基点としたネットワークで若い人たちが連絡を取り合い、祭りの時だけでなく、バスハイクなど町会の懇親会にも積極的に参加してくれる。(祭りでは錦連合のなかでもうちの町会は担ぎ手が多いんですよ。)だから私は今後も何とかなると思っていますね。若い人たちに期待していますし、こうした人と人のつながりを大切にして欲しいと思っています。

町会のアピールも、うちは若い人たちが町会活動に積極的に関わってくれている町会、ということです。

 お祭りではこうした若い人の力を、どんどんオープンに受け入れていきたいですね。そして徐々に、自ら企画し、動かすという楽しみをお祭りで体験して欲しいと思っています。

 神輿は担ぐ楽しさだけでなく神輿を制御していく、仕切っていくという楽しさがある。そうした実績を積んでいって欲しいですね。それが町会活動にも繋がっていくと思いますね。無理をしないでできることから頑張って欲しいですね。

地区のコミュニティ活性化についてはどうお考えでしょうか。

 都心3区の共通の問題で、ここに住んでいる人と仕事の場所としている人とをどう融合していくかは千代田区も七転八倒している話ですね。居住、非居住に拘わらず、そこを仕事場にしている人は、自分の人生の半分以上をそこで過ごしていても、「単なる箱ものとしての仕事場」であって、「生活の場」として意識していない。生活の場として、どこかで他者とのつながりをもっていくよう意識を変えていただきたいですね。最低限、挨拶をし合う関係を構築していかないと、どうにもならなくなるでしょう。

 町会に加入していただいている企業の社員さんで、町の人が気づいたらいつのまにか平社員から専務さんになっていたという話も聞いた。地域に根付いて長い付き合いができる企業もありますよ。

会長ご自身のことについてお話ください。小さい頃はどんなお子さんだったのでしょうか。

 病気の祖母がいて戦時中は早くから疎開していたので、昭和19年に疎開先で生まれました。幼稚園入園前に初めてこちらに戻りましたが、周囲に顔なじみの人がいないことや、5人兄弟の末っ子で、運動も苦手、竹馬には乗れないし、フラフープも1回も回せないという子どもでしたから、当初はいじめられたこともありました。本は好きでしたね。呼び名は今と同じように「ケンちゃん」と呼ばれていました。

 趣味は、囲碁です。2段で打っていたが、最近は対局はしていません。あとは麻雀も好きですね。
 
座右の銘は、気が多くてこれだというものがない。聞くとすぐに、なるほど、と思うし、これはいいと思う。でも、すぐに忘れてしまいます。(笑)

これだけはゆずれない、こだわるというものがあったら教えてください。

 自分たちの世代は、変化が多く、それも急速にやってきた。保守的と思われるかもしれないが、変わることはかまわないが、その根にあるものは大事に守っていきたいと思っています。

 例えば、最近の高校での単位不足の問題ですが、学習指導要領は、高校生としてこれは最低限身に付けるべきという観点から作られている。東大が受験に五教科七科目を固持しているのは、素養として必要と判断して守っているのですね。今回のことで学習指導要領を議論するのは良いが、それが作られた時点で何か大切にしているものがあったはずです。社会情勢で変わっていくのは仕方がないが根にあるものは大切に守りたいですね。

 人間の「判断」は総合的なものから成り立っている。物事を理解するため、判断するためには、直接的な理解のほかに「類推力」というものがあり、その力は“たくさんの事を知っていて、応用することができる程度に覚えている”ということで養われる。

 人間の生きられる長さの中で、「わかること」は極めて限られているが、常識というものはこの類推力の上に成り立っているので身に付けてつけて欲しいですね。

 また、コンピューターの普及によって子どもたちの価値観が変わってきています。コンピューターのデータが全てではないし、それらが事実とは限らない。情報として人の手を介して提供されたものは、それがどういう環境の基で作られ、示されているかをわきまえて使って欲しいですね。サイトやブログを見るときも、そこに示された現象ではなく、その背景では何を意図しているかを理解し、その上でコンピューターの特性を活用して欲しいですね。

ひととき、インタビューを忘れて傾聴してしまいましたが、最後に、「大好き神田」についてお聞きしました。

 見ていますよ。URLの入力はよく間違えてしまいますが、「大好き神田」と検索すれば出てくるので、よく見ます。自分たちの年代では、PCが不得意な人が多く、メールアドレスを交換するときも直接入力を避けて双方で譲り合うんですよ。(笑)「大好き神田」は今はどちらかというと地区内の人を対象に発信しているようだが、きちんとした地域の飲食店や物販店を広く外に紹介できるツールとしても頑張ってほしいですね。


ありがとうございました。
次は、HP担当者会の会長 小川町一丁目南部町会 神谷会長にインタビューを予定しています。

♪ インタビューを終えて
地区のコミュニティ活性化では、今後は居住者と企業(在勤者)の関わり方がネックになること、インターネット情報を上手に利用していくためには「類推力」が必要であることなど、大変参考になるお話を伺いました。
次世代を担う若者(私も)は、是非この「類推力」を装備したいものです。
ありがとうございました。
竹内

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